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コラム

日中ウェブデザインの違い

今回は、実際に上海でウェブサイトのユーザビリティテストなどを行う専門家と、
日本と中国でウェブ制作に携わる中国人開発者の方々に協力頂き、中国のウェブデザインについて考えてみました。

まず、中国のウェブサイトの特徴の一つは、その文字量の多さにあります。
例えば、http://www.sina.com.cn/のようなサイトは非常に文字が多く読むのに時間を要します。
(普段中国語を使われている方は、それほどでもないようですが。)
http://cn.msn.com/http://jp.msn.com/を比較しても、中国版の方が文字の占める割合が多いと感じます。
イメージでの直感的な認識よりも、文字を読む事での理解に重きを置いているのが一つの特徴といえるかもしれません。

また、前回のコラムでも少し触れたように、新しいページを新規ウィンドウで開くことが多かったり、目を引く広告、特にポップアップで右下に開いたり、点滅または、画面上を移動したりするものなども日本や欧米ではあまり見られない表現です。

日本や欧米のウェブサイトはクロスブラウザーでの動作を前提として制作されますが、
中国のウェブサイトの多くは、Internet Explorerでの閲覧を念頭に作られています。
ユーザーがブラウザーのアップデートをあまり必要と考えず、
古いバージョンのブラウザーを使用し続けていることによるものと思われます。
それによって、開発者は新しいブラウザーでは利用できる機能を、
中国向けでは排除しなければならない場合がでてきます。

全般的に、日本よりも若干FLASHで作成されたサイトが多い印象です。
開発者のみなさんは、現在HTML5に特に注目しているようですので、
上記のブラウザーのバージョンなどのこともありますが、今後は徐々にHTML5に移行していくと思われます。

以下では、何人かの専門家に聞いた、中国のオススメサイトとその推薦理由をご紹介します。

http://www.douban.com/
コミュニティサイト、空白を多めに取って読みやすいレイアウトです。
友人達と情報を共有したり、自分の街で開催されるイベントを見つけたりが簡単にできます。ユーザーの音楽の好みの合わせたレコメンド機能も便利です。

http://www.artro.cn/
アート関連のコミュニティサイト。各パーツの影や立体の表現を排して、フラットでありながら、レイアウトや写真の質、フォントの種類や大きさでシンプルに美しく見せる高度なデザインです。

http://www.modern-plaza.com.cn/index.aspx
ショッピングモールのサイト。ほとんどFLASHで作成されています。
大胆な色使いで中国的な印象を受けます。
ヘッダーにある、グローバルナビゲーションと各ページの左側サブメニューで
分かりやすいナビゲーションになっています。

http://www.zcool.com.cn/
デザインのコミュニティーサイト。シンプルなレイアウトで全体のトーン・アンド・マナーを踏襲しながら、各デザインパーツなど細部までしっかりと作り込まれており、洗練された使いやすいサイト。投稿されている作品もかなりハイレベルです。

次回は中国のユーザから見た、日本企業の中国語サイトの印象などについて書いてみたいと思います。

今回のコラムは弊社の上海のパートナーである、ElementCの代表者Marcus Gladers氏に協力頂きました。
ElementCは主に欧米のクライアントに対し、中国でのユーザビリティテストや市場調査のサービスを提供しています。

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